ラガン家を飛び出して、川を下ってポニーの家へ帰ろうとしたキャンディは運悪く滝に落ち、おぼれてしまいました。それを助けてくれたのがアルバートさんです。初めての対面で、キャンディはアルバートさんの人相が余りにも怖くて二度も意識を失いました。

黒髪でひげ面、サングラスをかけてきたない服を着ていたので、キャンディにとってはよほど怖く見えたようです。でも見かけとは違って、とても親切で優しい男性だとキャンディはすぐに分かります。スカンクのプッペがアルバートさんの親友であり、また彼は沢山の動物たちと一緒に古い屋敷に住んでいました。

ですが実はこのアルバートさんは色んな隠された秘密を持っていたことが物語の終盤で明らかになっていきます。

アンソニーが死んだときに悲しみに暮れるキャンディを励ましたり、その後キャンディがイギリスの寄宿舎に入って喧嘩したテリィのために深夜のロンドンへ薬を買いに行ったキャンディと偶然再会するなど何だか謎めいたことが多く見られました。

この時アルバートさんは自分の連れてた動物たちが捕まって、ロンドンおくりになったので、自分も来たとキャンディに話しています。アルバートさんはロンドンのブルーリバー動物園で働いていました。テリィの喧嘩を手助けしたのもアルバートさんで、テリィも彼と親しくなりました。

その後アルバートさんはアフリカへ旅立っていきました。アフリカで彼は自然や動物たちと触れ合っていました。

ここで運命は急展開し、アルバートさんは戦争に巻き込まれ、記憶喪失となり偶然にも、キャンディの勤めている病院へ担ぎ込まれました。病院中ではアルバートさんは悪人ではないかという根も葉もない噂を立てられた上に、病院で十分な看護をしてもらえなかったため、キャンディが記憶喪失のアルバートさんの面倒を見つつ、一緒にアパートに住むようになりました。

でもある日、レストランでバイト中に彼は突然激しい頭痛に襲われながらも、やっと記憶が戻りました。

そのとたんに彼はキャンディから姿を消してしまいました。そして物語の終盤!キャンディがニールとの婚約を取り消すために初めてウイリアム大おじさまとの直談判に行くと!何と椅子に座っていたのはアルバートさん。彼が実はウイリアム大おじさまの正体だったと驚きを隠せないキャンディでした。

何故アルバートさんがウイリアム大おじさまだったのでしょう?それは幼少時代エルロイ大おばさまが早くに両親を亡くしたアルバートさんをアードレー家の総長として教育するために後見人になったのが始まりでした。

まだ幼いアルバートさんを総長にすることは、大おばさまをはじめとするアードレー家のお偉い方だけの秘密とされ、了承されました。ですがアルバートさんはしきたりに縛られることを嫌い、アードレー家を出てしまい動物たちと自由に暮らすことを生きがいとしました。

それで変装してたんですね。でもアルバートさんは、キャンディをいつも陰から見守り、メキシコに売られそうになった時に丁度アンソニー、アーチー、ステアの手紙を読んでキャンディを養女にしてくれました。

ですからキャンディが寄宿舎に入って、大おじさまとしてロンドンに来ててもおかしくなかったんですね。

それにアルバートさんはアンソニーの母の弟であることをキャンディに話しており、アンソニーは甥だったことも分かりました。

そして!キャンディが長い事思い続けていた丘の上の王子さまの正体もアルバートさんでした!

キャンディが出会った時の丘の上の王子さまは、まだアルバートさんが少年の頃で、バグパイプを持って歩いてた時に偶然泣いてる彼女を見つけたのでした。