ヒロイン・キャンディは2人の男性を好きになりました。アンソニーとテリィです。アンソニーはキャンディにとっては初恋の人。6歳の時にポニーの丘で出会った「丘の上の王子さま」に瓜二つでもしかしたら王子さま?と錯覚したキャンディではありましたが、実は王子さまとアンソニーは別人でした。

キャンディがアードレー家の正式な養女になれたのは、アンソニー、アーチー、ステアのお蔭でした。3人がアードレー家の総長、ウイリアム大おじさまの心を動かしたからです。

養女になって、急接近するキャンディとアンソニーでした。アンソニーがキャンディに自分の生い立ちについて話します。アンソニーの母ローズマリーは病気がちで、バラの品種が趣味でした。ですがアンソニーがまだ幼いときに母は他界し、その後アンソニーがバラを育てたり、手入れをするようになります。アンソニーの父は1年中船乗りで不在でした。

アンソニー曰く、彼の母の目はキャンディと同じ緑の目をし、子供の頃はそばかすもあったそうです。そうなるとアンソニーがキャンディを愛したのは、母の面影を追っていたことも考えられます。

バラを育てることが上手で、乗馬の腕はなかなかのものです。アンソニーも小さいころから1人ぼっちで寂しい思いをしたのです。ですが運悪くきつね狩りの日に、落馬して命を落としてしまいました。

キャンディを愛したもう1人の男性テリィ。テリィも自分の過去をキャンディに話します。両親と3歳くらいの時にピクニックに行った時のことです。あんまり覚えはないけど楽しかったとテリィは話しました。

その両親がグランチェスター侯爵と女優のエレノア・ベーカーでした。ですがテリィはエレノア・ベーカーの隠し子として常に秘密にされていました。それは母のエレノアがアメリカのブロードウエーで独身美女女優を通し切る、といった理由があったからです。

父グランチェスター侯爵は貴族としての立場があるため、エレノアとは別れてしまいました。そんな父に反感を抱いていたテリィは、イギリスの寄宿舎に入るとたちまち不良少年に。

両親に見捨てられ、孤独を感じるようになったテリィは学園内では不祥事を起こしては、たちまち問題児になってしまいました。ですが院長のシスターグレーはそんなテリィに手を焼きながらも、グランチェスター侯爵に学園の寄付金を出してもらってる以上、何も言えませんでした。

ですがその孤独感を払いのけてくれたのが、キャンディとの出会いでした。最初は喧嘩したり、キャンディの容姿をバカにするなどちょっとアンソニーとは性格が違いすぎる印象があります。

そうなりますとアンソニーは、大人しいけれど隠れたたくましさがある反面、テリィは孤独感がありながらも、本当は野生的な男らしさを沢山持っているので、喧嘩が強く、たくましさがある男性の印象です。

髪型にしても2人は実に対照的で、アンソニーは金髪で、テリィは長髪でサラサラ系。共通点はお金持ちの何不自由のないおぼっちゃま。環境的には、恵まれた生活をしていても、アンソニーもテリィも孤独感があり、寂しい思いをしていたのは間違いありません。

でも彼らはキャンディを心から愛していました。さあ、アナタだったらアンソニー、テリィのどちらがタイプですか?

私個人としてはテリィがタイプです。テリィは男らしくて包容力があり、一度愛した人には一筋って印象があるからです。

アンソニーも実に良かったんですが、彼は残念ながら早くに他界してしまいました。もし落馬で命を落とすことがなければキャンディと結ばれていたかもしれません。

運命のいたずらか、お互い愛し合えても結婚までは至りませんでした。