フランス革命戦争のために、ヒロインのオスカルと恋人アンドレはその犠牲者となり、命を落としてしまいました。ですがこの2人、天国で幸せになれたのではないでしょうか。醜い戦争で危険な目に合うよりも、天国で2人は結婚式を挙げたかもしれません。

それにオスカル自身も男性から本当の女性として、アンドレの妻として天国で仲良く夫婦として暮らしているでしょう。

さて、オスカルとアンドレの死後、残されたアントワネットとフェルゼンにも様々な悲しい結末が待っていました。

まずアントワネットはルイ16世や子供達と共にフランス革命をのがれるために、ヴォレンヌ逃亡を計画します。ヴォレンヌ逃亡とはフランス革命の最中の1791年6月フランス東部国境に当たるヴォレンヌで事件として起こります。

実はこの逃亡を計画したのはルイ16世で、どういうわけか民衆にすでに知れ渡っていたのか、ヴォレンヌでルイ16世一家は拘束されてしまいます。

そしてパリに連れ戻され、アントワネットは逃亡生活の原因なのか、美しいブロンドの髪が一晩にして老人の様に白髪になってしまいました。そこからルイ16世、アントワネット共に悲惨な生活、結末が待っていました。

ルイ16世はヴォレンヌ逃亡をしたためか、すっかり市民から信頼性を失ったため、処刑するかどうかを投票で決めることとなり、裁判ではたった1票の差で処刑することに決まりました。そして翌日には処刑されてしまいました。

ルイ16世は正確は優しく、温厚な性格の持ち主だったとのことでしたが、いささか気が弱く、妻のアントワネットがフェルゼンと恋仲であったことを知りつつも、それを叱ることは出来ませんでした。

そしてアントワネットはコンシェリジェー牢獄に入れられ、裁判をしながら牢獄生活を送りました。もう以前のような優雅な王妃時代とはうってかわって、髪は完全に白髪、処刑される恐怖におびえらがらも、最後までフランス王妃としての誇りは捨てませんでした。

結局アントワネットは民衆の税金を無駄遣いをしたために、処刑される羽目になり、ルイ16世の後を追って処刑により命を落としました。

1780年代の死刑制度は、「ギロチン」による執行が当たり前で、何とも現代では残酷すぎる死刑執行です。「ギロチン」制度は等の昔に廃止こそされましたが、市民の大勢の前で囚人が処刑される所を見せ物にするのも、大問題ですね、現代では。

とても恐ろしいことです。「ギロチン」で処刑するってことは。ですからアントワネットは「悲劇のヒロイン」兼「悲劇の王女」なんですね。

ルイ16世との政略結婚がそもそも間違いの元で、アントワネットも犠牲者の1人と言ってもいいでしょう。

そしてアントワネットを愛し続けたフェルゼン伯爵ですが、家族の反対を押し切ってフランス革命へ自ら入り込んでいき、ルイ16世、アントワネット達の逃亡の手助けをするといった、大胆な行動に走ってしまいます。

やはり愛するアントワネットのためだったのでしょうか。人は愛する人の為ならどんな危険でも顧みないと言いますけど、フェルゼンもその1人だったのでしょう。

しかしどんなに逃亡を企てても、結局は失敗に終わってしまいました。アントワネットを失ったフェルゼンは傷心で故郷へ帰っていきました。しかし彼にも悲惨な結末が待ち受けていました。

フェルゼンを憎む市民により、彼は撲殺されてしまいました。結局ベルばらの重要登場人物は全員他界したことになります。それも悲惨な最期でした。

ベルばらの最後は、話の中心人物が全員死んでしまったことで終わりました。