フランス王妃マリーアントワネットは、オスカルに次ぐベルばらのもう1人のヒロインです。アントワネットはオーストリアのマリア・テレジアの娘で、ダンスや歌など女性としてのマナーは非の打ち所がないくらいな上品な女性として育てられました。

7歳の時に、あるパーティーで1歳年下のモーツアルトがピアノを弾くのを披露しているのを見ていたアントワネットが何と!ピアノを弾き終わった6歳のモーツアルトに求婚されたというエピソードを聞いたことがあるのですが、実際は本当なのかどうかは分かりません。

アントワネットが14歳に成長した時、オーストリアとフランスの関係が芳しくなく、母マリア・テレジアはその改革対策として、フランスのルイ15世の孫息子(その後のルイ16世)との政略結婚を考えだします。

愛情のない結婚に困惑するアントワネットではありましたが、しきたりを破ることは出来ず、オーストリアの身に付けていたものは何もかも外されて、フランスへ嫁いできたわけです。

ルイ15世が逝去した語、アントワネットは正式にフランス王妃になります。ですが世間知らずのアントワネットは、名門貴族に出入りの激しい夫人から賭博に誘われたり、宝石をやドレスを買い占めるなどの贅沢な生活をします。

そして愛情のない結婚のため、夫であるルイ16世にはまるで興味はなく、隠れて仮面舞踏会で出かけたのがきっかけでスェーデンの貴族であるフェルゼンと一気に恋に落ちてしまいます。

許されない恋と分かっていても、アントワネットはフェルゼンをどんどん好きになっていき、またフェルゼンも彼女を好きになるなど、本当にお互いに愛し合うようになるまで発展していきました。

そんな時に同時にフェルゼンを好きになったオスカルは、すぐに身を引いているので後悔することもなく、フェルゼンとはその後も良い友人として付き合えています。

アントワネットは愛情のない政略結婚をさせられたことで、恵まれた生活をしていてもいつも孤独を感じていました。フランス王妃としての誇りと気高さを知りつつも、夫のルイ16世は本当に愛することが出来ず、フェルゼンとの愛に日々苦しんでいました。

でも近衛兵として忠実に尽くすオスカルには、友人として思い、何でも相談をしていた彼女でした。でもオスカルは男性の心があるため、どんなに同性同士とあっても立場が違いすぎるので、なかなか理解しあえない所もあり、また孤独を感じていました。

そんなアントワネットでしたから、トラブルに巻き込まれるのも多々ありました。代表的なのが「首飾り事件」です。バロワ家の血を引くジャンヌによって、宝石店からローアン枢機卿にアントワネットからのプレゼントだと騙して、高額で首飾りを売ったと言われるものです。これは現代で言う正式な詐欺です。

その前はポリニャック伯爵夫人と出会い、自分との交流を深めるために、ポリニャック伯爵夫人を親友として王家の出入りを許可するようになります。ポリニャック伯爵夫人は実は危険な人物で、自分を親友と思うアントワネットの心を利用して賭博をさせてお金を使わせるなど、悪女じみた面がある女性の1人でもありました。

暫くしてアントワネットは無事3人の子どもを持つ母親になりました。ですが不幸にも長男は7歳で重病にかかり亡くすといった悲劇を招いています。

しかしアントワネットの今後の人生はますます悲劇化としていきました。ですから今でも悲劇の王女と呼ばれるのでしょう。漫画の中ではまさしく悲劇のヒロインはオスカルよりアントワネットです。