「キャンディ・キャンディ」や「レディジョージィ」など、少女漫画で大ヒットを続けたいがらし先生ですが、1990年代はいがらしゆみこ美術館で何と!世界名作劇場を漫画本にして発売されました。

これらは一般の書店では手に入れることが出来ず、いがらしゆみこ美術館限定の販売だったのではないかと思われます。しかも世界名作劇場で漫画にしたのは、「アルプスの少女ハイジ」「赤毛のアン」「オズの魔法使い」の3作品です。

「赤毛のアン」ではアニメ版では放送されることのなかった先生になった後の大人になったアンが漫画になっています。「アンの青春」「アンの愛情」などまさしく大人の女性になったアンの人生が実によく描かれています。

「アルプスの少女ハイジ」と「赤毛のアン」シリーズを私はいがらしゆみこ美術館で購入しました。そして一気に読んでしまいました。アルプスの少女ハイジはいがらし先生が描くともうジョージィがショートヘアになった女の子バージョンって感じです。

テレビアニメのハイジとは、イメージが全然違っており、まさしくいがらし先生の描かれたハイジは少女漫画そのものです。ですが名作劇場が少女漫画系になっても違和感がなく、寧ろ新鮮な気持ちで読めました。

やはり私はいがらし先生のファンですから。

でもいがらし先生の絵がらが1990年代から何となく変わってきました。1コマ1コマが大きくなり、すごく見やすくなったことと、読みやすくなったことです。

しかし「赤毛のアン」を読んだときには、「あ!キャンディか?」と思ったくらいでした。あの人気作のキャンディはもしかしたらアンがモデルだったのかな~と思ったこともありました。

何しろキャンディとアンの共通点は孤児院出身と、みなし子、そばかすがあることですから。でもキャンディはアンのように先生になったわけではなく、看護師としての道を歩いていたわけです。でもキャンディもアンも職を持った職業婦人って所も共通していると言えます。

いがらし先生が世界名作劇場を漫画にしたことによって、何だかますます先生の作品に面白みを感じるようになりました。

アニメとは違ったハイジの魅力とは?やっぱり誰でもすぐに友達になれるハイジはすごいです。頑固者のおじいさんと生活していくうちに、おじいさんも穏やかな性格になっていき、心奥から孫のハイジを愛するようになり、村の人達と和解し、教会へ足を運ぶようになりました。

フランクフルトでのハイジの生活ぶりは、本格的なお嬢様そのものでした。クララはまさしくキャンディに出てくるようなアニーを連想させ、執事のロッテンマイヤーさんも何だかアニメの怖い人とは違い、何処かギャクを見せつけるような感じのキャラクターに見えました。

クララがアルプスへ来てからは、ハイジと一緒に過ごすことが多くなり、それを見たペーターは面白くありません。クララがいるせいでハイジと牧場へ行けない!と怒っていました。ここがアニメとは違うところです。

漫画の中のペーターは、原作通りに設定されていて、ハイジと常に一緒にいるクララを嫌っては、ついにはクララの大事な車いすを壊してしまう行動になっています。でも車いすがなくなったお蔭でクララは歩けるようになり、ペーターは自分の犯した過ちを反省し、クララに謝っています。

赤毛のアンは最初のストーリーは殆どアニメと変わっていません。ですがいがらし先生の描いたアンはアニメとは違って実に可愛く、キャンディを連想させるそのものでした。

いがらし先生の懐かしい少女漫画には本当に何度も読みたい気分にさせられます。これからも先生には作品を描き続けてもらいたいです。