亜弓と紅天女候補として共に戦うマヤですが、彼女は芸能界入りしてから色んなトラブル、嫌がらせを受けてきました。

「奇跡の人」で亜弓とWキャストでヘレン・ケラーを演じ、新鮮なヘレンを演じたことが評価され、マヤはアカデミー助演女優賞を受賞し、そこから本格的な女優活動を開始させました。

本当の紅天女に近づくためにはまず、テレビドラマに出演し、視聴者がどのように評価するのか大女優への第一歩だと月影先生に教わります。

大都芸能に入ったマヤはテレビの大河ドラマに出演が決まり、題名は「天の輝き」。その中で元気な伯爵令嬢の役を与えられます。どんな役作りをすればいいのか悩むマヤでしたが、テレビで番組が始まるとマヤの人気はまさしくうなぎ上りになり、女優として一躍有名になります。

一方のライバル亜弓もドラマに出演し、母親とは違った女優への道を歩き始めます。マヤと亜弓はテレビ女優としてますます比べられることになります。

マヤの人気が高まる中で、陰で彼女を妬む人間が次々と続出し、嫌がらせが始まりました。天の輝きの撮影で、パイを食べるシーンがあり、それを口にしたマヤは口を切ってしまうけがをします。パイの中にはガラスの破片が入っており、一つ間違えばマヤは声帯をやられるところでした。

それから雨の中を走ってきて入室するシーンでも、マヤへの嫌がらせが続きました。何者かがスタジオの天井付近に水を入れたバケツを仕掛けて、マヤがドアを開けるとバケツに引っかかり、上から水がこぼれてマヤはびしょぬれになってしまいます。

でもマヤはとっさにびしょぬれのまま撮影を続けて欲しいと申し出。すると本当に雨の中を濡れて入って来た感情が返ってよく伝わり、何とか撮影は成功させました。

そして若い青春スターの里美茂とドラマで共演したことがきっかけで、マヤは彼に恋をします。そして里美もまたマヤを好きになり、公で交際することになりました。それを妬んだ里美のファンの親衛隊(どうも不良っぽい女の子が多かったですね。)にマヤは襲われ、殴る蹴るの暴行をうけてしまいます。運よく真澄に発見され、助けられたものの恐怖におびえるマヤでした。

マヤがドラマ出演している最中に、九州から乙部のりえという少女がマヤに憧れて上京し、馴れ馴れしく接近してきました。マヤは「のりさん」と呼んで、世話係をさせていました。ですがこの乙部のりえこそが、マヤを芸能界から追放しようと企んでいた張本人だったのです。

見かけは田舎臭い少女として変装し、中身はとても美少女だという素顔をひたすら隠していました。「マヤに隙があったら、その時私がとってかわってみせる!」

のりえの企むマヤの隙は本当にやってきました。それはマヤの母の死。大都芸能にマヤの情報を一切知らせないように、療養先の院長に金を握らせ、マヤの母は監禁されていました。これは真澄の企みでした。

真澄の計画によれば、母を世間から隠すことでもっとマヤの知名度を上げ、舞台挨拶のこけら落としに「マヤと行方不明の母、感動の再会!」になるはずだったのですが!

たまたま薬を貰いに行こうとした母が、大都芸能の部下と院長がマヤの話を耳にしたため、病身のまま療養先の病院を抜け出してしまいました。失明した母はマヤが大スターになったことを喜びつつ、東京に向かいますが途中で交通事故にあい、映画館に入りマヤの演じる声を聞いてそのまま息を引き取ってしまいました。

悲しみに突き落とされたマヤは、のりえの企みにまんまとのせられ、自暴自棄になり舞台をすっぽかすといった事態になってしまいました。

こういうわけでいかに芸能界が裏では怖いかが思い知らされました。