大都芸能の若社長速水真澄は、冷徹人間で、どんな手段もいとわない男性でした。幼少時代に速水家の養子とされ、母が他界後継父により、大都芸能の一員としての教育を厳しく受けてきました。

血のつながりのない継父から愛情を感じたことのない真澄は、人を愛することなど全くせず、仕事一筋に生きてきました。まずは継父より先に紅天女の上演権を取ることと、常に大都芸能の代表として誇り高くやっていくことが真澄にとっての最大の目的でした。

それがマヤとの出会いで、真澄の気持ちが一変します。初めての舞台で40度の高熱を押してまで演技したマヤを見て、「何故そんなにまでして出来るのだ?俺の今までやってきたこととは一体何だったのか?」と自己啓発をします。

まだ素人同然のマヤが真剣に演じる姿に感動した真澄は、照れながらも紫のバラをマヤに隠れて託し、「あなたのファンより」とメモに書き示します。「この俺が女性に花束を送るだと?」この瞬間から真澄は、冷徹人間から優しい一男性と変化していきます。

劇団つきかげと劇団オンディーヌが張りあってる最中に、マヤは真澄に「冷血人間!」と憎まれ口をたたくようになり、また真澄もマヤのことを「チビちゃん」と呼んでからかうのでした。

ですがマヤがピンチに追い込まれると、真澄は何とか彼女を救おうと、いつも紫のバラを送っては励まし続けてきました。このことを知っているのは秘書の水城冴子です。冴子は早くから真澄がマヤのことを愛していると見抜き、彼は最初はそれを否定していました。

ですがマヤがまだ会ったことのない紫のバラの人に感謝しつつも、いつも自分の舞台を見ててくれるたった1人のファンとして大切に思っていることを真澄は知っています。

学費が出せないマヤのために、高校に通わせたり、演劇の稽古場に自分の別荘を提供するなど真澄は相変わらず彼女を援助し続けます。紫のバラをマヤに送り続けることによって、真澄自身もこれがマヤへの愛だと段々自覚するようになりました。

ですがマヤが大都芸能経由でテレビドラマに出演し、もっと有名にしたいがためにマヤの行方不明の母の居所を突き止め、部下に命令して院長に金を握らせて、マヤの母を監禁してしまいます。ですがこれには裏があり、マヤが新しい舞台に立つまで母の耳には一切入れず、こけら落としに感激の再会をさせようといった魂胆がありました。

ですがその秘密を偶然マヤの母に知られてしまい、抜け出した後、事故で亡くなってしまう最悪の事態を招いてしまいました。さすがにマヤの母を死なせたことに真澄は激しい罪悪感を感じ、誤解から芸能界追放されたマヤを何とか助けようと何度も舞台に立たせようとしましたが、ダメでした。

一方のマヤですが、自分の母を殺したのは真澄だと一時は彼に対して激しい憎しみを抱きましたが、優しい表情をしたりする所を見せる彼の気持ちが分からなくなりました。それから暫くして真澄に縁談話が持ち上がることを聞いたマヤは何故か動揺し、真澄に真相を確かめるために電話をしてしまいます。

「どうかお幸せに!」マヤは何故真澄に対してこんなことを言ってしまったのか不思議な気持ちになります。そしてお見合い相手の鷹宮紫織との交際が始まるのを見て、マヤは今までとは違う目で真澄を追うようになります。

「まさか、俺に嫉妬している?」と気づく真澄でした。そして紫のバラの人が真澄だと気づいたマヤは今まで自分を助けてくれたことが彼の自分への愛情だったことが分かりました。

お互いに好きだと認めたこの2人。今後どうなるのでしょう?これは美内先生にしか分かりません。私が分かったら完全にネタバレです。(笑)