キャンディ・キャンディのヒロインのキャンディとアニーは同じ日に一時間の違いで、ポニーの家に拾われました。以後2人は双子の姉妹の様に仲良くポニーの家で育ちました。

6才の誕生日のある日、キャンディとアニーはポニーの丘で、誕生日の御祝いをします。そこでアニーは「私達は本当はいつ生まれたのかしら?」と泣きだします。キャンディは「6年前の今日私達は一時間の違いで拾われたのよ。今日が当然誕生日よ!」とアニーをなだめます。

ですがアニーは「誕生日を御祝いしてくれるパパとママが欲しい~!!」と号泣してしまいます。困ったキャンディはハッと思いついたかの様に、パパとママの御祝いのキスをアニーにしてあげるのでした。そこでアニーも元気を取り戻し、「キャンディ大好き!」と誕生日会を楽しみました。

そんなある日、アニーが夜中のトイレが怖くて1人で行けないので、キャンディを起こします。ドアからポニー先生とレイン先生の話声が聞こえてきました。2人はそっと耳を傾けます。そして話の内容は何と!アニーを引き取りたいという、ブライトン夫妻との話し合いでした。

アニーは「キャンディと離れるのは嫌!」と泣きだしますが、キャンディはアニーが以前からお金持ちの家にもらわれたいことを知っていたので、行くべきだと勧めます。翌朝素敵なドレスに身を包んだアニーは、ブライトン家の娘として引き取られることになり、6年間ポニーの家で、いつも一緒だったキャンディに別れを告げました。

その後キャンディとアニーは手紙のやりとりをします。アニーが「パパとママは優しい」と手紙に書いてくるとキャンディはまるで自分のことの様に喜んでいました。ところが急にアニーはキャンディに手紙を書かなくなりました。そして別れの手紙には「孤児院にいたことを皆に知られたくない、忘れたいの。」と知らせるのでした。さすがにいつも元気なキャンディも、アニーの一方的な別れの手紙に大ショックを受け、悲しませてしまいました。

アニーは孤児院出身であることを常に恥じるようになってしまいました。いわゆる世間体を気にしたということでしょうか。手紙のやりとりを止めたことで、アニーはキャンディを忘れようとしていたのかもしれません。

でもいくら孤児院出身を隠すためとはいえ、姉妹の様にいつも一緒だった親友キャンディをアニーの方から連絡を断ち切ってしまうことは、いささかアニーは自己中心的なわがままだったようにも思えます。

アニーは自分の希望通り大富豪に養女として引き取られ、幸せに暮らしていきました。その間に親友キャンディが苦労していることも知らずに。

アニーがキャンディと久しぶりの再会をしたのは、ラガン家でのお茶会の時でした。キャンディはラガン家で召使としてこき使われ、馬番もしていたのです。お客様として招かれたのがアニーで、キャンディはニールとイライザの馬をアニーに見せるといった運びでした。

折角の再会を果たしても、アニーはキャンディには一切声をかけませんでした。後にイギリスの寄宿舎でも、2人は再会をしますがアニーは本当にデリケートで、最初はキャンディを避けていました。

ですがアニーはアーチーがキャンディのことを好きだと分かるとショックを受け、キャンディに激しく抗議します。そこで自らポニーの家のことを口にしたことで、たまたま傍を通った意地悪なイライザに聞かれてしまい、秘密がばれてしまいました。

一時は絶望になったアニーでしたが、優しいアーチーやキャンディの励ましで、昔のように2人は親友に戻りました。

それからのアニーは明るい女の子になりました。