ベルばらで結構活躍した女性キャラは、オスカルの妹分でもあり、優しい性格のロザリーです。ロザリーはパリの下町に姉のジャンヌや母のラモリエールと3人で暮らしていました。

パリの下町は非常に貧しい人々が沢山住んでおり、オスカルやアントワネット達のような贅沢な暮らしとは裏腹に、今日食べる食料さえ手に入れるのも難しい状況だったのです。でもロザリーは例え貧しくても優しい母や姉と暮らせるだけで十分幸せだったのです。

しかし、ロザリーは本当は貴族の生まれであり、バロア家で当時メイドとして働いていたラモリエールに引き取られて育てられました。姉のジャンヌは貧しい暮らしを嫌っては、貴族の生活に憧れ続け、非情にも2人を残して家出をしてしまいました。

ジャンヌの家出後、ロザリーは母のラモリエールを支えるために働こうとします。ですが、貧しい身分ではなかなか雇ってくれる所はなく、病気がちの母に代わりにどうしたらいいのか途方に暮れるロザリーでした。

その時偶然にも貴族の馬車が通りかかり、ロザリーは弱弱しく「ご主人様、どうか私を買ってください。」売春婦になろうとしていたのでした。その馬車に乗っていたのは何とオスカル!「これでも私は女性だよ。」と笑いだします。

でもロザリーの涙を見て、オスカルは金貨を彼女にめぐんでやりました。それがロザリーとオスカルの出会いでした。

その後病気で寝ていたはずの母ラモリエールが貴族の馬車にひかれてしまい、瀕死の状態に。母の声に「私はお前の本当の母親じゃない。お前の母親は貴族。その名前はマルティーヌガブリエル…」と本当の母の名前を言いかけてそのまま亡くなってしまいました。

悲しみに暮れるロザリーは、「私が本当は母さんの子供じゃなくて、貴族の娘だったなんて。」しかし、彼女は大切な母を馬車でひいた貴婦人が許せず、貴族を憎むようになりました。

そして母のかたき討ちをするために、一路パリへ。そこへ丁度馬車から下りる女性を見つけて、「母さんの仇!覚悟!」とナイフを向けます。驚いたことにロザリーが狙った女性はオスカルの母で、ここでロザリーはオスカルとの再会をします。

母の仇をするためにパリに来たことをロザリーから聞いたオスカルは、彼女をジャルジャ家に引き取ります。ばあやはオスカルのために作ったドレスをロザリーに着せて暫く家族の様に一緒に暮らすことになりました。

母を殺した犯人を捜すため、ロザリーは着飾って宮廷のパーティーへオスカルと共に入っていきました。そこで余りにも田舎臭いと貴族の娘にバカにされてしまいます。その娘と言うのがシャルロットで、ポリニャック伯爵夫人の子供です。

運命のいたずらか、偶然にもロザリーはとうとう母の仇を発見、隠し持ってたナイフで刺そうとしますが、オスカルに止められました。そして運命のいたずらはまだ続きがあり、ロザリーは実はポリニャック伯爵夫人の実の子供ということが発覚、そしてシャルロットは妹だということも分かってしまいます。

そのことはポリニャック伯爵夫人の耳にも入ってしまい、当時10代だったポリニャック伯爵夫人がバロア家のサンレミー男爵に恋をして妊娠したのがロザリーであり、それに同情して引き取ってくれたのがラモリエールだったと全てが明らかになりました。

色んな衝撃を受けつつも、ロザリーはジャルジェ家にてオスカルの身の回りの世話をしました。そして同性であっても「オスカル様」と慕うようになり、またオスカルもロザリーを春風のような娘、本当の妹の様に可愛がっていました。

オスカルは自分が本当の男性だったら、ロザリーを妻にしたいと語っています。2人の絆は実に深かったです。